1. 1,000円をケチる、40代のプライド
かつての俺なら、1,000円カットすら「安いし、これでいい」と適当に済ませていた。 だが、今の俺は違う。その1,000円があれば、米国株や全世界株の信託報酬が何年分払えるか。そんな計算が、血の巡りとともに脳内を駆け巡るようになった。
結果、俺が手にしたのは、楽天市場でポチったバリカンだった。
2. 鏡の中の自分との対峙
深夜、浴室で全裸になり、足元に新聞紙を敷き詰め、バリカンのスイッチを入れる。 「ジジジ……」という無機質な音が、静まり返った空間に響く。
正直、情けないと思う自分もいた。40代にもなって、全裸で自分の髪を刈っている。 だが、アタッチメントを頭皮に当て、一気に滑らせた瞬間、得も言われぬ解放感が込み上げた。
それは、これまで無意識に「他人に委ねていた自分の外見(コスト)」を、自らの手でコントロール下に置いたという、小さくも確実な勝利の音だった。
3. 浮いた1,000円の「行き先」
散髪が終わる。多少不格好な部分もあるが、帽子を被れば、あるいは「そういうスタイルだ」と言い張れば問題ない。
俺はこの「浮いた1,000円」を、即座に証券口座へと移した。 かつての俺なら、帰りにコンビニへ寄り、チューハイとつまみを買って一瞬で消えていたはずの1,000円だ。 それが今、未来の自分を救うための「軍資金」へと姿を変える。
この泥臭い積み重ねこそが、俺が再び自分を信じるために必要とした、再生の「儀式」なのだ。
「自分を疑う勇気を持てた時、信じたい未来がクリアに見えてくる。」
第2章、削れるものはすべて削る。その削ぎ落とした先にある「本当の贅沢」を探して。
次話、saikidou 11 ―― 昼メシのルーチン化へ。
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