1. 「何を食べようか」という贅沢な迷いとの決別
かつての俺にとって、ランチタイムは唯一の娯楽だった。 「今日はガッツリ肉か、それとも麺か」 そんなことに15分も悩み、結局は1,000円前後の定食を胃に流し込む。
だが、再起動を誓った今の俺は、その「迷い」すらもコストだと考えている。 昼食を固定する。それは単なる節約ではない。午後の仕事、そしていつか訪れるはずの「反撃の機会」のために、脳のメモリを1%でも多く残しておくための、生存戦略だ。
2. 1年間、俺の血肉となった「三種の神器」
俺の昼飯は、完全に固定された。 「冷凍のからあげ、ブロッコリー、そして白米」。 この組み合わせを、俺は1年間、毎日欠かさず食べ続けた。
からあげでタンパク質を、ブロッコリーでビタミンを、白米でエネルギーを。 栄養学的な正解はわからない。でも、暗闇の中にいた俺にとっては、これが「迷わなくていい唯一の正解」だった。
毎日同じものを食べる俺を、周囲は「味気ない生活だ」と笑うかもしれない。確かに、美食の感動はない。 だが、毎日「1,000円」を払っていたランチ代が「数百円」に固定された時、俺の心に芽生えたのは、空腹感ではなく、自分の生活を掌握しているという圧倒的な「安定感」だった。
3. 浮いた「時間」と「金」の行き先
ランチで浮いた500円。そして、店を探して並ぶために使っていた30分。 この1年間の積み重ねは、金額にして約12万円、時間は約120時間にもなる。
この小さな、しかし膨大なリソースが、積立投資の原資になり、自分自身を研ぎ澄ます時間になった。 40代、人生の後半戦。俺たちはもう、何でも手に入れられるほど若くない。 だからこそ、どうでもいい選択を捨て、本当に大切にしたいものだけにリソースを集中させる。
この「からあげルーチン」は、俺が未来を予約するための、静かなる抵抗なのだ。
「自分を疑う勇気を持てた時、信じたい未来がクリアに見えてくる。」
第2章、捨てれば捨てるほど、本当に欲しかったものが輪郭を現す。
次話、saikidou 12 ―― 透明な夜の静寂。40代、お酒という名の「麻酔」を捨てた1年間。
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